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東京地方裁判所 平成2年(ワ)13099号 判決 1992年7月31日

主文

1  原告の主位的請求を棄却する。

2  原告の予備的請求に基づき、被告は、原告に対し、一六八万四〇〇〇円及びこれに対する平成二年八月三日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

3  原告のその余の予備的請求を棄却する。

4  訴訟費用はこれを一〇分し、その一を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。

5  この判決は、原告の勝訴部分に限り、仮に執行することができる。

理由

第一  原告の請求

1  (主位的請求)

被告は、原告に対し、二三〇八万三五〇〇円及び内金一三六九万九五〇〇円に対する昭和六三年三月八日から支払済みに至るまで、内金九三八万四〇〇〇円に対する平成二年八月二日から支払済みに至るまで、年五分の割合による金員を支払え。

(予備的請求)

被告は、原告に対し、三三八万四〇〇〇円及びこれに対する平成二年八月三日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

との判決及び仮執行宣言を求める。

第二  事案の概要

一  (争いのない事実)

1  原告、その母の訴外清水セツ(以下「訴外セツ」という。)及び二人の兄は、昭和六一年六月三日、昭和二三年以来共有していた東京都港区《番地略》宅地一一九・一七平方メートル(以下「本件土地」という。)を、訴外セツが同地上に所有していた二階建建物(以下「本件建物」という。)とともに、第三者に売り渡す契約を締結して、昭和六二年二月二八日にその引渡しを完了し、原告は、これによつて、一億六七二九万五六五五円の譲渡所得を得た。

原告は、本件建物の一階部分を生計を一にする訴外セツとともに居住の用に供していたものであり、また、訴外セツは、本件建物の二階部分をアパートとして第三者に賃貸していたものである。

2  そして、原告及び訴外セツは、昭和六一年七月一〇日、本件土地及び本件建物に替わる居住用資産として、横浜市港北区《番地略》宅地一八四・六四平方メートル及び同地上建物(以下「本件日吉居宅」という。)の所有権持分各二分の一を取得価額各八二六三万三七〇五円で買い受けて、これを居住の用に供した。

また、原告は、昭和六二年七月、山梨県南都留郡河口湖町船津字丸尾及び同県富士吉田市新倉字上谷倉所在のマンション(以下「本件河口湖マンション」という。)を取得価額約一四〇〇万円で買い受けた。

3  原告は、昭和六三年三月八日、神奈川税務署長に対して、原告の依頼に基づいて公認会計士・税理士である被告が作成した確定申告書に基づいて昭和六二年分の所得税の確定申告をしたが、そこでは原告については本件土地全体を居住用資産とする前提に立ち、本件日吉居宅についてのみ租税特別措置法三六条の二(昭和六二年法律第九六号による改正前のもの。以下、同じ。)所定の居住用資産の買換え特例を適用して、分離課税の長期譲渡所得の税額を一三六五万九五〇〇円としたものであり、これに基づいて右同額の譲渡所得税を納付した。

4  ところが、被告の作成した前記確定申告書には被告の過誤による違算があつて、申告にかかる分離課税の長期譲渡所得の税額が八〇〇万円過少であることが後日に判明したため、原告は、平成二年六月一九日にその修正申告を行つて、右同日に本税八〇〇万円及び過少申告加算税八〇万円を、同年八月二日に延滞税五八万四〇〇〇円を納付した。

5  原告は、昭和六二年七月以来のこれらの過程において、被告に対して、税務相談を求め、確定申告書の作成を依頼するなどし、これに対する報酬を支払つたものである。

二  当事者の主張と争点

(原告の主張)

1 原告は、前記のとおり、その共有にかかる本件土地に所在する訴外セツ所有の本件建物の一階部分に生計を一にする親族である訴外セツとともに居住する一方で、訴外セツは、本件建物の二階部分をアパートとして第三者に賃貸していたのであるから、このような場合においては、原告は、譲渡資産全体の居住用部分(三三パーセント)と事業用部分(六七パーセント)との面積比に応じた割合によつて、租税特別措置法三六条の二所定の居住用資産の買換え特例の適用とともに、同法三七条(昭和六二年法律第九六号による改正前のもの。以下、同じ。)所定の特定の事業用資産の買換え特例の適用をも受けることができ、本件土地の譲渡所得の右割合に応じた額以上の居住用資産及び事業用資産を取得することによつて、本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税の課税を免れることができたものである。

2 原告は、昭和六二年七月下旬以来、居住用資産及び事業用資産を取得することによつて節税を図ることを検討するべく、被告に税務相談を求め、不動産業者の訴外坪井工業株式会社の仲介にかかる神奈川県大和市所在の二億円の不動産、同県相模原市所在の不動産等を事業用資産として取得することを検討していた。

ところが、被告は、同年九月頃、原告に対して、原告については事業用資産の買換え特例の適用はないとの誤つた助言を行つたため、原告は、本件河口湖マンションのほかには、新たに事業用資産を取得することを断念して、前記のとおりの限度で居住用資産の買換え特例の適用を受けるにとどまつたのであつて、被告が的確な助言を与えてさえおれば、被告は、前記のとおり、本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税を一切負担しなくてもよかつたはずである。

3 よつて、原告は、債務不履行による損害賠償として、被告に対して、原告が納付した前記の譲渡所得税、過少申告加算税及び延滞税の税額の合計相当額二三〇八万三五〇〇円及び、内金一三六九万九五〇〇円については納付の日の昭和六三年三月八日から、内金九三八万四〇〇〇円については納付の日の平成二年八月二日から、各支払済みに至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

また、右請求が理由がないときには、原告は、不法行為による損害賠償として、被告の過誤による違算のために原告が納付を余儀なくされた過少申告加算税八〇万円及び延滞税五八万四〇〇〇円の各相当額、被告の不当な対応によつて原告が被つた精神的な苦痛に対する慰藉料一〇〇万円並びに本件訴訟の弁護士費用相当額一〇〇万円の合計三三八万四〇〇〇円及びこれに対する不法行為の日の後の平成二年八月三日から支払済みに至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

(被告の主張)

1 被告は、原告から本件土地の譲渡に伴う原告の譲渡所得税の課税について事業用資産の買換え特例の適用があるかどうかを判断するのに十分な資料を与えられていなかつたし、原告主張のような助言をしたこともない。

また、原告は、原告について事業用資産の買換え特例の適用があることを他の公認会計士等から聞き及んで知つていたのであつて、原告が新たに事業用資産を取得しなかつたのは、事業用資産の買換え特例の適用がないという理由によるものではない。

2 原告は、平成二年六月一九日まで本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税八〇〇万円の納付を免れたことによつて、この間本件土地の売買代金のうち右八〇〇万円相当額を株式会社富士銀行五反田支店に預け入れるなどして、銀行預金利息相当額六九万五九二四円の利得を得たのであるから、原告の予備的請求については、右同額の損益相殺がされるべきである。

第三  争点に対する判断

一  先ず、本件の事実関係の下においての租税特別措置法三六条の二及び三七条所定の譲渡所得課税の特例の適用にかかる課税実務の取扱いについて検討すると、右各法条、国税庁長官通達昭和四六年八月二六日付直資四-五・直所四-五・直法二-六「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」(昭和六三年一月二一日直資三-一・直所三-二による改正以前のもの)及び弁論の全趣旨によれば、本件におけるように、譲渡した特定資産がその所有者以外の者の事業の用に供されていた場合であつても、その事業を営む者が特定資産の所有者と生計を一にする親族であつて、かつ、その事業が不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業であるときには、租税特別措置法三七条所定の譲渡所得課税の特例の適用については、その特定資産は所有者にとつても事業の用に供していたものとして取り扱い、また、建物及びその敷地の用に供されている土地が事業の用に供されているとともに居住の用にも供されている場合においては、同法三六条の二及び三七条所定の譲渡所得課税の特例の適用については、右建物又は土地は、原則としてそれぞれの用に供されている部分の面積の比によつて事業の用及び居住の用に供されているものとして、その割合に応じてそれぞれ右各法条による事業用資産の買換え特例及び居住用資産の買換え特例の適用を受けることができる対象資産として取り扱うのが課税実務の一般的な取扱いであつたことを認めることができ、したがつて、原告は、本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税の課税については、買換資産としてそれぞれの所定の要件を充足する事業用資産及び居住用資産を取得することによつて、事業用資産の買換え特例の適用とともに居住用資産の買換え特例の適用をも受けることができたものであるということができる。

二  そして、前記の争いがない事実に《証拠略》を併せて判断すると、次のような事実を認めることができ(る。)《証拠判断略》

1  原告は、訴外セツ及び二人の兄とともに本件土地及び本件建物を第三者に売り渡してその引渡しを完了し、また、訴外セツと共同して又は単独で本件日吉居宅及び本件河口湖マンションを買い受けた後の昭和六二年七月下旬頃、被告を訪れて、これらの資産の譲渡及び買受けに伴う譲渡所得税の税額又はその節税方法等について相談した。

これに対して、被告は、差し当たつての回答として、原告に対して、訴外セツ及び原告ともにそれぞれ事業用資産の買換え特例及び居住用資産の買換え特例の適用を受けることができる旨を告げたものの、契約書、住民票その他の関係資料の提出方を求めるとともに、それらを検討するまでは確定的な判断はできないとして、結論を留保した。

2  ところで、原告は、昭和四三年頃以降は専ら本件建物に訴外セツとともに居住していたにもかかわらず、住民登録上はその所有する東京都大田区《番地略》所在のマンションに居住していることになつていて、昭和六一年四月に右マンションを売り渡し、これに伴う昭和六一年分の譲渡所得税の課税については、同年分の所得税の確定申告において右マンションを居住用資産として租税特別措置法三五条所定の居住用資産の譲渡所得の特別控除を受けており、本件土地及び本件建物の売買契約が締結された後の同年七月九日本件建物の所在地へ転入したものとして転入の届出をしていた。

被告は、原告から提出された住民票等によつてこれらの事実を知つて、原告が真実は終始本件建物の所在地に居住していたものであるとしても、昭和六一年分の所得税の確定申告において東京都大田区《番地略》に居住していたものとして昭和六一年分の所得税の確定申告において前記の特別控除を受け、本件土地及び本件建物の売買契約の締結後に本件建物の所在地へ転入したものとして住民登録上の届出がされている以上、訴外セツについてはともかくも、原告について本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税の課税について事業用資産の買換え特例及び居住用資産の買換え特例のいずれの適用を受けることも困難ではないかと判断して、昭和六二年八、九月頃、その旨を電話で原告に伝えた。

3  原告は、この間の昭和六二年六月頃から同年九月下旬頃まで、単独で又は訴外セツと共同して賃貸用マンションを買い受けるべく、不動産業者に依頼するなどして、神奈川県下所在の二、三のマンション等を物色するなどしたが、結局、これを思い止まつた。

4  原告は、このような経緯を経た後、被告に対して、昭和六二年分の所得税の確定申告書の作成を依頼したが、申告期限も迫つた昭和六三年二月八日、被告に対して、先に買い受けた本件河口湖マンションの買受条件等を提示して、これについて事業用資産の買換え特例の適用を受けたほうが有利であるかどうかを問い合わせたところ、被告は、本件河口湖マンションがリゾートマンションであつて、課税当局によつてそれが事業用資産と認定されるかどうかには疑義があること、その取得価額が約一四〇〇万円であつて、本件土地を事業用と居住用との併用資産として事業用資産の買換え特例及び居住用資産の買換え特例の双方の適用を受けるよりは、本件土地全体を居住用資産として本件日吉居宅についてのみ居住用資産の買換え特例の適用を受けた方がかえつて税額が少なくなることなどから、原告に対して後者の方法を選択すべき旨を勧奨し、先に摘示したとおり、原告のために本件日吉居宅についてのみ居住用資産の買換え特例を適用した確定申告書を作成し、原告は、これに基づいて昭和六二年分の所得税の確定申告を行つた。

5  そして、その後の経過は、先に当事者間に争いがない事実として摘示したとおりである。

三  以上に説示したところによれば、原告の昭和六二年分の譲渡所得税の課税に関する限りにおいては、被告が原告に教示した助言等の内容が事業用資産及び居住用資産の買換えの特例を定めた租税特別措置法の前記各法条の法意やその下での課税実務の一般的な取扱いに適合するものではなかつたことは確かである。

しかしながら、原告が昭和六一年分の所得税の確定申告において東京都大田区《番地略》所在のマンションに居住しているものとして右マンションの譲渡に伴う譲渡所得税について居住用資産の譲渡所得の特別控除を受けていることや原告のその後の住民登録上の届出の状況等に照らすと、本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税の課税について、原告が事業用資産の買換え特例及び居住用資産の買換え特例の適用を受けることができるかについて被告が懸念を持つたのはむしろ当然のことであつて、必ずしも被告のした助言等の内容が不適切なものであるということはできないし、もとより被告がここにおいて買換資産として新たに事業用資産を取得することにより事業用資産の買換え特例の適用を受けることができるものとしてこれを原告に勧奨することができる状況になかつたことは明らかである。

そして、そもそも、《証拠略》によれば、原告は、被告に相談する前後を通じて、不動産業者や他の公認会計士等から、本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税の課税について原告についても事業用資産の買換え特例及び居住用資産の買換え特例の双方の適用を受けることができるとの話を聞いたことがあるなどしたこともあつて、原告にとつて必ずしも被告が提供する情報が唯一のものではなかつたし、これと異なる見解に接しても、いずれが正当であるかについて被告に聞きただしたり、事業用資産の取得についての具体的な相談をするようなことはせず、また、昭和六二年八、九月頃から昭和六三年二月頃までの間は一切被告との接触を持たなかつたものであつて、必ずしも被告からの助言等に全面的に依拠していたというものではないこと、原告は、既に昭和六二年七月に本件河口湖マンションを買い受けていたにもかかわらず、当初からはこれを被告に告げないで、漸く昭和六三年二月八日になつて右マンションについて事業用資産の買換え特例の適用を受けた方が課税上有利であるかどうかを問い合せているに過ぎず、原告自身が必ずしも事業用資産の買換え特例の適用を受けることができないものと信じていた訳のものでもないことが窺われること、訴外セツは、更に事業用資産を取得することによつて、本件土地及び本件建物の譲渡に伴う譲渡所得税につき、より大幅な事業用資産の買換え特例の適用を受ける余地を残していたにもかかわらず、取得価額三〇〇〇万円の事業用の買換資産を取得する予定があるものとして、昭和六二年分の所得税の確定申告において、事業用資産の買換承認の申請をしているに過ぎないことが認められるのであつて、これらの諸事情に照らすと、原告は、必ずしも被告の教示した助言等の内容に依拠して本件河口湖マンション以外に更に事業用資産を取得するかどうかを判断していたものではないし、また、原告が新たに事業用資産を取得しなかつたことが被告の助言等の内容に起因するものということもできない。

また、被告が、本件土地を事業用と居住用との併用資産として本件日吉居宅及び本件河口湖マンションをその買換資産として事業用資産の買換え特例及び居住用資産の買換え特例の双方の適用を受けるのではなく、本件土地全体を居住用資産として本件日吉居宅についてのみ居住用資産の買換え特例の適用を受けることを原告に対して勧奨して、原告がこれに基づいて昭和六二年分の譲渡所得の確定申告を行つたことは、租税特別措置法の前記各法条の法意やその下での課税実務の一般的な取扱いに反するものであるとはいえ、結果的にはかえつて原告の納付すべき税額が少なくなつているのであつて、原告は、これによつてなんらの損失を被つたものではない。

したがつて、被告が的確な助言等を与えておれば原告は本件河口湖マンションのほかにも新たに事業用資産を取得しこれによつて事業用資産の買換え特例の適用を受けて本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税を一切負担しなくてもよかつたはずであるとして被告に対して債務不履行による損害賠償を求める原告の主位的請求は、理由がないものというべきである。

四  次に、原告の予備的請求については、原告の依頼に基づいて被告が作成した昭和六二年分の所得税の確定申告書に被告の過誤による違算があつて、原告が過少申告加算税八〇万円及び延滞税五八万四〇〇〇円の納付を余儀なくされたことは前記のとおりであり、被告は、このような場合における基本的な注意義務に違背したものであつて、不法行為による損害賠償として、原告がこれによつて被つた損害を賠償すべき義務がある。

被告は、原告が平成二年六月一九日まで本件土地の譲渡に伴う譲渡所得税本税八〇〇万円の納付を免れ、右八〇〇万円に対するこの間の銀行預金利息相当額六九万五九二四円を利得したとして、損益相殺を主張するけれども、たまたま原告が本件土地の売買代金のうち右八〇〇万円相当額を銀行に預金するなどしていたかどうかの偶然にかかる右のような預金利息を右損害と相当因果関係のある利得と解することは相当ではないから、被告の右主張は失当である。

そして、原告が本訴の提起、追行を原告訴訟代理人弁護士らに委任することによつて原告が出捐を余儀なくされる弁護士費用中の三〇万円については、被告の右の不法行為と相当因果関係があるものとして、被告が賠償すべきものと解するのが相当である。

原告は、以上のほかに、被告の不当な対応によつて被つた精神的な苦痛に対する慰藉料として一〇〇万円の損害賠償を求めるけれども、本件全証拠によつても、前記認定のような一連の経緯における被告の所為に原告に対する慰藉料の支払いをもつて償うべきような原因事実を認めることはできない。

したがつて、原告の予備的請求は、原告が納付した過少申告加算税八〇万円及び延滞税五八万四〇〇〇円並びに弁護士費用三〇万円の合計相当額の一六八万四〇〇〇円及びこれに対する不法行為の日の後の平成二年八月三日から支払済みに至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度において理由があり、その余の請求は失当である。

五  以上のとおりであるから、原告の主位的請求はこれを棄却し、その予備的請求は、右損害賠償金一六八万四〇〇〇円及びこれに対する平成二年八月三日から支払済みに至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度において認容し、その余の部分は棄却することとして、訴訟費用の負担については民事訴訟法八九条及び九二条、仮執行の宣言については同法一九六条の各規定を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 村上敬一 裁判官 岡部 豪)

裁判官小原春夫は、転補につき、署名捺印することができない。

(裁判長裁判官 村上敬一)

《当事者》

原告 清水志津子

右訴訟代理人弁護士 佐藤恭一 同 末政憲一 同 叶 幸夫 同 水沢恒男 同 林 正紀

被告 甲野太郎

右訴訟代理人弁護士 北沢和範

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